ホーム > 農業共済新聞 > ~6次産業化 新たな価値を~県産食材との組み合わせも

ここから本文です。

2022年3月15日

~6次産業化 新たな価値を~県産食材との組み合わせも

五條市 農業法人株式会社エー・ジー・エフ・ホールディングス 取締役営業統括本部長 蔡 顯人 さん

 

自社製品を手に蔡さん(左)と取締役の小川和良さん。「明日香きくらげは最高の万能食材」とPRする

 五條市の「株式会社エー・ジー・エフ・ホールディングス(農業法人株式会社アスカグリーンファーム、山本人彰社長=56歳、従業員数14人)」は、大和野菜と、ハウス7棟12㌃でアラゲキクラゲを生産する。同社取締役営業統括本部長の蔡顯人さんは、「『明日香きくらげ』を日本全国に広めたい」と意欲的だ。

 

白いキクラゲを培養

 2004年に設立した同社は15年にキクラゲの栽培を始め、現在の生産量は年間約20㌧。

 

 手掛けているのは、一般的に流通している黒キクラゲと、黒色の突然変異で取れた白いキクラゲだ。同社では希少な菌を採取して培養したという。菌床は国内のメーカーから取り寄せている。

 

温湿度管理を徹底している

 

 収穫したキクラゲは、1枚ずつ丁寧に手洗いし、おがくずをきれいに取り除く。「乾燥させることで長期保存ができる」と蔡さんは話す。天日干しと機械による乾燥工程を経てパック詰めし、地元の直売所やスーパーに出荷。また、自社のホームページで販売する。

 

 ほかには生キクラゲの冷凍品、つくだ煮や甘酢漬けなど加工品も取り扱う。

 

 同社は昨年、自社産キクラゲと県内産の食材を組み合わせて、加工品を開発し、全国大会「にっぽんの宝物JAPAN大会」に出品したところ、準グランプリを受賞した。

 

 開発に協力した「有限会社三木食品工業(大和郡山市)」の近藤正洋代表取締役社長は「キクラゲを安定流通させていることは素晴らしい。並大抵の努力ではできない。これからも一緒に何かつくりあげたい」とエールを送る。

 

 今後について、蔡さんは「自社菌床工場を建設し、品質安定と収量増を確立したい。そして、県産食材と一緒に奈良ならではの食を発信して、キクラゲ産地日本一を目指す」と話す。

収穫したプリプリのキクラゲと乾燥した「明日香きくらげ」

戻る

Copyright © NOSAI NARA All Rights Reserved.