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2020年10月26日

~しめ縄や奉納わらじ 思いを込めて~ 県内産わらで丁寧に

葛城市 池之側 輝男 さん

「来年は良い年になってほしいと願いながら作っています」と池之側さん

 「購入してくれる方の喜びは自分の喜びでもあります」と話すのは、葛城市のわら細工職人・池之側輝男さん。県内産の古代米やもち米のわらを使って、神社用の大きなしめ縄や仁王像用の奉納わらじ、家庭用のしめ縄などを作っている。

 18年前に我流で家庭用しめ縄を作り始め、特大60㌢を2千円、大50㌢を千円で販売する。当初は近隣に配っていたが、評判が口コミで広まり、注文が年々増加。今では県内外から400個の注文が入る。

 池之側さんが作るしめ縄は右に反り上がっているのが特徴だ。右肩上がりに良い年になってほしいという思いを込めて作っているという。今も物差しで一つ一つ大きさを確認しながら丁寧に作る。

長谷寺に飾られている池之側さんの仁王像の特大わらじ

 県内外の寺院に仁王像用の特大サイズのわらじを奉納している。奉納した寺院は12になった。

 主な奉納先の仁王像は、東大寺で140㌢、長谷寺153㌢の大きさだ。特大サイズのわらじは池之側さんを含め3人がかりで1週間かけて2足作るという。奉納したわらじは参門の両端にかかっている。

 「参拝者がわらじを見て、私を思い出してくれる。それは私が生きた証しになる。人が死んでも周りの方の心の中で生き続けることができます」と笑顔で話す。

 「体が動く間は頑張って続けていきたいです。わらの確保が毎年困難だが、新鮮な青い上質なわらを提供してくれてもらえて感謝しています。後継者不足が懸念されていますが、これから後継者を育てて、継いでもらいたいです」と意欲を見せる。

県内外から400個の注文が入る

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