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2022年6月15日

~柿 加工品で需要拡大~

天理市 松田果樹園+ 松田 崇史さん 庸子さん

「丁寧な作業を心がけています」と松田さん夫妻。崇史さんが手にするのがジェラートの詰め合わせ

 「おいしい柿を多くの方へ届けたい。特に若い方に食べてもらいたい」と話す天理市の松田崇史さん・庸子さん夫妻は、柿「刀根早生」発祥の地である同市萱生町で「松田果樹園+」を営む。柿1・85㌶、かんきつ(ハッサク、ミカン、キウイフルーツ)35㌃などを栽培していて、生果販売だけでなく、加工品の開発・販売にも力を入れ、購買層の拡大を狙う。

 崇史さんは2016年に会社を退職し、果樹農家の36代目として実家で就農した。「お客さまから『あまり柿は好きではないが、ここの柿は食べられる』『柿本来のうま味があり、ただ甘いだけではない柿だ』などの声をいただいています」と話す。

 萱生町地区は西側がひらけた丘陵地帯で、朝から夕方まで日差しが注ぐことから、崇史さんは「午前の日差しで木が育ち、午後の日差しをたっぷり浴びることで柿が甘く育つ。実の色は深い紅色になります。柿などを果樹を栽培するには好立地です」と紹介する。

摘蕾作業を行う崇史さん

 柿栽培では土づくりに力を入れる。市内の養豚農家から豚ぷんを入手して、3年間熟成発酵させてから施用。「サラサラの堆肥の効果で園地の土はふかふかと軟らかく、ミミズが多くいます」

 雑草は、ナギナタガヤの草生栽培で対策する。草丈60㌢程度となり、自然倒伏して土壌表面を覆い、雑草発生が抑制。除草剤の使用が控えられる。

 松田さん夫妻は、20年に柿加工品の開発を始めた。「最近はジェラート、ドライフルーツが人気です」と庸子さん。加工は業者に委託し、商品は自園のホームページやオンラインモールで販売。また、市内の道の駅「なら歴史芸術文化村」への出荷では、商品を切らさないよう注意しているという。

 今後について、「萱生町内の柿で特産になるような加工品を開発していきたい。みんなで協力して産地を守っていきたい」と話す。

柿のドライフルーツ

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