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2023年3月28日

~ブランド化へ一丸~地域の米農家が勉強会や試食会

大和高原・米・食味向上委員会 会長 中山 廣一 さん

それぞれ独自のデザインの米袋を手に、左から中山さん、福田さん、林さん、的場さん。「メンバーが食味コンクールで毎年受賞できるようになりました」と話す。

 「おいしいお米をみんなと一緒に作ってブランド化したい」と話すのは、大和高原地域の米農家で集まる「大和高原・米・食味向上委員会(会員50人)」の会長・中山廣一さん。2012年に米・食味の向上を願って立ち上げた。同会では、情報を共有し、メンバー全員で栽培管理技術の向上を目指している。

 2012年に水稲栽培を始めた中山さんは、台風で稲がほとんど倒れる被害に遭った。このことをきっかけに群馬県をはじめとする全国の米産地に出向き、栽培技術を学んだ。

 おいしさ追求 会員同士で評価

 「地域のみんなで協力して、より高品質な米作りを実施したい」と思い、地元の米農家を集め、勉強会を開催したことが同会の始まり。その後、活動範囲を県内北東部の大和高原地域に広げ、専門講師を招いて、米作り勉強会を毎年、2、3回開催している。ここ数年、勉強会には約50~80人の米農家が集まる。

 また、全国各地で開催される講習会に参加する会員もいて、多くの地域で有名な生産者と交流することで、最新の栽培技術を会員間で共有し合っている。

 会員である奈良市の的場完次さんと宇陀市の林秀和さんは、今年、有機JAS認証取得を目指している。数年前から、もみ殻堆肥作りを始め、有機資材として活用。作り始めて3日で堆肥の温度が20度から60度まで上昇するなど、堆肥からは甘い香りが漂い、「最高の出来になっている」と話す。

 「一番は食味。おいしさを追求し、毎年お米ができた時、メンバーに食べてもらって評価してもらうのが楽しみです」と会員である宇陀市の福田安民さんは話す。メンバーの意見を参考に改善点を見つけることで、翌年にはさらに高品質な米作りにつながるという。

 今後について、メンバーらは「会員数を千人まで増やしたい。そして、自分たちのお米で食味ランキング特Aのランクインを復活させたい」と意気込む。

3月5日に開催した勉強会には85人が参加した

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