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2026年1月29日

農業振興の一助に~営農×データ収集・分析~

大和郡山市 「アグリデータファーム」代表 井上 浩志さん

「農業は化学だ」と話す大和郡山市のアグリデータファーム代表・井上浩志〈いのうえひろし〉さんは、イチゴの高収量栽培と企業向け農地試験を行い、営農とデータ分析を融合させた独自の事業モデルに取り組んでいる。

 井上さんは、40歳を前に会社勤めから農業へ転身。前職で農地試験に携わった経験が大きな転機となったという。「農家とデータ分析、それぞれの強みが組み合わさってこそ成果が出る」。そう確信し、営農とデータ事業を掛け合わせる事業の構想が生まれた。企業が売りたいものと農家が必要とするものの間には、ときにズレが生じる。そこで井上さんは試験データを取得し、企業にフィードバックすることで製品開発や販売戦略に活かしてもらう仕組みを構築。農家と企業双方に利益をもたらすことを目指している。

 データ事業部では、企業と農家の橋渡し役として、ビニールハウス用フィルムの開発協力、企業の研究支援、肥料メーカーの性能検証など幅広い業務を行う。農業分野への新規参入企業からの試験依頼も多く、海外展開を見据えた相談も寄せられる。

 アグリ事業部では”イチゴの反収日本一”を目標に掲げ、3段式の高設栽培を導入している。ハウス1棟(15㌃)に約2万株を定植し、効率的な栽培による高収量を実現している。また、暖房にはボイラーを使わず、電熱線を栽培床にはわせて加温する。「温度ムラが少なく、化石燃料の使用削減にもつながるため、環境負荷と暖房費の双方を抑える効果がある」と井上さん。   

 井上さんはイチゴの輸出にも注力していて、収穫から5日で台湾などの現地まで届けられる体制を整え、継続的かつ安定した出荷ルートの確立を目指している。
 今後は冷房を活用したイチゴの周年栽培にも挑戦する考えで、7月末まで収穫を続けられる体制づくりを進めている。「一年中おいしいイチゴを消費者の元に届けたい」と井上さんは意欲をみせる。

  

3段式の高設栽培棚で収集したイチゴのデータを確認し生育状況を管理。「データの分析もすべて自身で行う」と話す井上さん

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