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2025年8月27日

野菜×採卵養鶏 おから活用 ~自然豊かな土地柄生かして~

曽爾村「種の実」代表 山下 竜一郎さん

「うちの農園では野菜と鶏が同じものを食べて育っています」と話すのは、曽爾村の「種の実」代表・山下竜一郎〈やました りゅういちろう〉さん。おからを主原料に完熟堆肥と配合飼料を作る。採卵鶏には山下さんが毎日くんでくる湧き水を飲み水として与えていて、「ハウスを利用した平飼いで悠々と育てています」と話す。

 ハウス10棟22㌃でホウレンソウやコマツナなど軟弱野菜、露地5㌃でレンコンを栽培している。採卵養鶏は2024年に開始した。
 もともと都会で和食の料理人として働いていたが、田舎暮らしを選択し、奈良県内各地を移住先の候補地として探す中、自然豊かな曽爾村に決めたという。

「農園は集落から少し離れた森を抜けた先にあり、澄んだ空気とおいしい水でさまざまな野菜を栽培し、平飼い養鶏を営んでいます」と山下さんは話す。
 有機JASを取得している野菜の土壌改良材として、おから堆肥を使った有機肥料を主に施用する。
 鶏の餌はおからを発酵させたものに、米ぬか、日本酒の濾過炭を砕いたもの、カキ殻、ナタネの搾りかす、圧片処理した麦、「曽爾高原ビール」の搾りかすなど、山下さんが厳選した材料を配合したもの。新鮮な生野菜を毎日たっぷりと与えている。
「うちの鶏たちが生む卵は、トウモロコシなどを与えなくても黄身がきれいな黄色になることも自慢の一つです」

 屋号「種の実」には、農園がいろいろな種の集合体であり、いろいろな人が集まる場所でありたいとの思いが込められていて「農業をやりたい若い子たちが途中であきらめることがない環境を作ってあげたい」と話す山下さんだ。 

 
採れたて卵を手に山下さん    毎日こだわりの餌をたっぷり与えている

 
屋号に込めた思いと曽爾高原をイメージしてデザインされた「種の実」のロゴマーク

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